肝臓がんの基礎知識



肝臓がんは男性で45歳頃から、女性では55歳頃から増加していきます。したがって、この年齢に差し掛かった場合には注意が必要です。男女別に見ると、男性は女性のおよそ3倍の患者さんの数となっています。

肝臓がんには2種類あり、肝細胞がんと胆管細胞がんに分かれます。肝細胞がんが全体の95%を占めています。

生存率を見ると、初期症状の段階から末期に近づくにつれて如実に数値が悪化していきます。症状の進行度を表す病期(ステージ)ごとの肝臓がんの生存率を見ると、この傾向は明らかです。したがって、早期発見を行うことが助かる鍵となるのです。しかし、予兆がほとんどないため、自分でも初期症状のうちには気付かないことがほとんどとなっています。

治療は手術、経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓術が中心となっています。この他に、最新治療法を取り入れている病院であれば選択肢が増えることに鳴ります。重粒子線や陽子線を用いる放射線治療が最新治療法の一例と言えるでしょう。一般的な放射線治療や抗がん剤はあまり効果的ではありません。

必ずしも有名病院で名医から治療を受けなくてはならないわけではありませんが、病院選びは闘病するに当たって重要な問題ですので、よく検討しましょう。おざなりにしてしまうと、後になってから悔やむことになりかねません。

あまり身近なものではありませんが、場合によっては生体肝移植を行う場合もあります。生体肝移植を行っている施設は限られており、どこででも行えるものではありません。

現在のところ、末期になってしまうと十分な効果のある治療はありません。末期肝臓がんにおいては余命と向き合っていくことになりますので、覚悟を決めなくてはならなくなります。そうなってしまう前に治療を行っておきたいところです。

肝炎ウイルスが大きな原因になっています。およそ9割はC型肝炎ウイルスが原因になっており、残りの1割は肝炎ウイルスが原因と見られています。慢性肝炎や肝硬変を経て、20年から30年という長い年月を経て発症することになるのです。

全身の倦怠感や腹部のしこり、黄疸といった症状が見られることがありますが、これらは進行してから見られるようになるもので、肝臓がんが末期症状に近いところまで進行している場合もあります。

原発性肝臓がんと転移性肝臓がん

原発性肝臓がんは肝臓から癌が発生したものですが、転移性肝臓がんの場合には、他の部位からガン細胞が転移してきたものです。転移性の場合には、原発巣の性質が残っていますので、原発性とは異なる特徴を持っています。たとえば、胃がんが転移した場合には、あくまで胃がんの性質を持ったガン細胞であることになるのです。

このことは、治療法にも影響を与えます。というのは、ガン細胞の性質が異なるために、抗がん剤治療を行う場合には薬剤の選択において考慮されることになりますし、乳癌のホルモン療法のように、原発性の場合には使用しない治療法を転移性肝臓がんの場合には使用することがあるためです。

転移性肝臓がんの原発巣となることが多い部位としては大腸癌があります。そのほかにも、胃癌やすい臓がん、子宮癌、乳癌、肺癌、胆のうがんといったものがあります。転移性の場合には、治療を行うのは肝臓だけではなく、原発巣も対象となりますので、それらを含めた対策を講じる必要があります。

たとえば、大腸癌が原因になっている転移性肝臓がんの場合には、それぞれの病巣を外科手術によって切除できる場合がある一方で、原発巣の切除ができないこともあります。そのために、転移に対する治療法の判断も変える場合があります。

とは言え、原発性と転移性でまったく治療法が異なるわけではありません。乳癌のホルモン療法のような特殊なものをのぞくと、外科手術やラジオ波治療、抗がん剤による化学療法、肝動脈塞栓術、経皮的エタノール注入療法といったものが行われています。

肝臓の働き

数ある臓器の中でも最大なのが肝臓で、およそ1キロもあります。腹部の右上にあり、横隔膜を隔てて肺や心臓があり、また横には胃があります。下側には腎臓が位置しています。沈黙の臓器と呼ばれ、再生能力や代償能力に優れ、病気になっても症状がなかなか出ません。残された正常細胞によって機能を維持するためです。

代謝機能としてアルコールの分解を行い、アセトアルデヒドに分解します。また、有害物質の解毒作用があり、無毒化して排出します。消化液の一種である胆汁を作り出す機能も持っています。


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